CEVモデル式
CEVモデル(Constant Elasticity of Varianceモデル、Constant Elasticity of Volatilityモデル、定弾性分散モデル)において原資産価格は次の式に従う。
$$dF_t = \sigma F_t^\beta dW_t$$
\(F_t\) | 時刻\(t\)における原資産価格 |
\( W_t \) | ブラウン運動 |
\(\sigma\) | ボラティリティ |
\(\beta\) | 定数 |
CEVモデルのアイディア
CEVモデルはボラティリティの原資産価格弾力性が一定であると仮定している。
$$ \frac{ \frac {d\sigma} {\sigma} } {\frac {dF} {F} } = \beta$$ $$\int_{\sigma_0}^{\sigma_T}\frac{1}{\sigma}d\sigma = \beta\int_{F_0}^{F_T}\frac{1}{F} dF$$ $$ \ln{\frac{\sigma_T}{\sigma_0}} = \beta \ln{\frac{F_T}{F_0}} = \ln{\frac{F_T^\beta}{F_0^\beta}}$$ $$\sigma_T = \frac{\sigma_0}{F_0^\beta}F_T^\beta$$ $$ \sigma_T = kF_T^\beta$$
ただし、\(k= \frac{\sigma_0}{F_0^\beta}\)と置いた。
式を変形するとボラティリティが原資産価格の定数乗に比例することが分かる。この効果をモデル式に反映させたものがCEVモデルである。
CEVモデルの\(\beta\)の意味
0 | 正規分布 | バシュリエモデル |
0~1 | 正規分布と対数正規分布の中間 | CEVモデル |
1 | 対数正規分布 | ブラックモデル |
\(\beta\)を導入することでバシュリエモデル(正規分布)とブラックモデル(対数正規分布)の両方を包含した拡張モデルと考えることができる。
\(\beta\)によって分布の形状を変えることができ、分布の形状はボラティリティスマイルの形状に影響を与えるため、\(\beta\)は「 ボラティリティスマイルの傾きをコントロールするパラメータ」である。
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